ユーザーが簡単に使えるシンプルなサービスを

――サービスの開発過程で特に工夫した点はありますか?

野呂:開発において最も重視したのは、ユーザーが簡単に使えるシンプルなサービスを作ることでした。高度な技術を使っていても、それが一部の人にしか使えないものであれば意味がありません。そこで私たちは、難しい技術をいかに広く一般の方々に使っていただけるか、ということに注力しました。

まず、極力シンプルにし、。ユーザーインターフェース※やツールといった提供方法を止めました。動画を指定のURLにアップロードするだけで利用できるようにしたんです。そして、最短2日後には翻訳された動画が完成するという、分かりやすい設計にしました。

※ユーザーインターフェース(UI)とは、ユーザーがコンピューターやスマートフォンなどの機器を操作するための仕組み。私たちが日常的に触れる画面やボタン、アイコンなど。

品質面では、各言語に精通したメンバーを揃えることで翻訳の質を高めました。具体的には、日本語、英語、中国語はもちろん、韓国語、ドイツ語、フランス語にも対応できる日本人スタッフを配置しています。対応言語数は50か国語以上です。

AIによる自動翻訳を大部分の翻訳のベースとしつつ、最終的には各言語の専門家が最終チェックを行うハイブリッドな方式を採用しています。これにより、AIの効率性と人間の言語感覚を両立させ、高品質な翻訳を実現しています。