世界人口の男女比は以前からずっと1:1の半数ずつを保っています。
一方で皆さんの知り合いやご近所さんには「3人の子供が全員女の子」であったり「4人兄弟で今度また男の子が生まれるらしい」など、家族によって妙に生まれる子どもの性別が偏ってるなと感じたことはないでしょうか?
これまでのところ、生まれてくる子供の男女比に影響を与える遺伝子変異は見つかっていません。
しかし、米ミシガン大学(University of Michigan)の最新研究は、女の子を出産しやすくなる遺伝子変異が存在することを初めて特定したのです。
研究の詳細は2024年10月16日付で科学雑誌『Proceedings of the Royal Society B:Biological Sciences』に掲載されています。
目次
- 男女比を偏らせる遺伝子変異はあるのか?
- 女の子が生まれやすくなる遺伝子変異を発見!
男女比を偏らせる遺伝子変異はあるのか?
世界人口は2024年現在で80億人を突破したと推定されていますが、不思議なことにその男女比はほぼ半々となっています。
これはあらゆる生物で共通しており、多くの生物種の性比はオスメス1:1を保ち続けているのです。
この法則は英国の統計学者で遺伝学者でもあるロナルド・フィッシャー(1890〜1962)にちなんで「フィッシャーの原理(Fisher’s principle)」と呼ばれています。
ミシガン大の進化生物学者で研究主任のツァン・ジアンツィー(Zhang Jianzhi)氏は「多くの科学者が何十年もの間、ヒトの性比を決める遺伝的メカニズムについて研究してきましたが、男女比を1:1から変化させる遺伝子変異の明確な証拠は見つかっていません」と話します。
このことから一部の科学者の間では「ヒトの男女比は遺伝子の突然変異の影響を受けないのではないか」と考えられるようになりました。
つまり、生まれてくる子供の男女比を偏らせる遺伝子変異はないということです。