ポーランドのローマ・カトリック教会のイェジ・ポピェウシュコ神父の名前をご存じだろうか。同神父は1984年10月19日、共産主義政権の秘密警察によって拉致され、殺害された。あれから今月で40年が過ぎた。
ポーランドでは先週末、国民的英雄のポピェウシュコ神父の追悼が行われた。アンジェイ・ドゥダ大統領とヴワディスワフ・コシニャク=カミシュ副首相は、ワルシャワにあるポピェウシュコ神父の墓に花輪を捧げた。ポピェウシュコ神父が務めていたゾリボジュ地区の教区教会で行われたミサで、ドゥダ大統領は「ポピェウシュコ神父や彼の世代の他の人々の努力のおかげで、今日のポーランドは自由な国となった」と述べ、共産主義時代に自由のために勇敢かつ決然と立ち向かった神父に感謝した。
バチカンニュースは「19日には数千人が、ポピェウシュコ神父が働いていた教会までの追悼行進に参加した。その教会の庭には彼の墓がある。行進には、国民保守派の野党である『法と正義(PiS)』党の指導者ヤロスワフ・カチンスキ氏も加わり、参加者の多くは白と赤のポーランド国旗を掲げていた」と報じた。
ワルシャワのカジミェシュ・ニッチ枢機卿は、説教の中でポピェウシュコ神父を「愛の福音の証人であり、人間の尊厳の擁護者」と呼び、かつて労働組合および自由運動「連帯」の教区司祭だった同神父の早期の聖人認定を祈るよう信徒に促している。
なお、国会下院(セイム)でも、ポピェウシュコ神父を追悼した。18日に採択された決議では、「神父は共産主義占領者の嘘を暴露し、その人権侵害を非難した」と述べられている。
ポピェウシュコ神父は説教で、当時禁止されていた「連帯」を支援し、ワルシャワの共産主義政権に対抗する運動を展開した。彼の「祖国のためのミサ」は月ごとに非常に注目を集め、1982年から亡くなるまでそれが続いた。