そして女の子は、2歳以降から男の子よりも外遊びする時間が短く、結果として身体活動も少ないと分かりました。
研究チームは、この結果について次のように述べています。
「年長の子供では、性別に応じて活動パターンが変化していく傾向があり、女の子は外遊びする時間が短くなるものです。
しかし、2歳という早い時期で、既にこの傾向が見られるとは予想していませんでした。
外遊びと身体活動の関連性を考慮すると、女の子は人生の非常に早い段階で既に不利な立場にあるのかもしれません」
確かに、幼少期の段階で、遊び方には男女差が生じているものであり、私たちもそれを知っています。
「女の子は家の中でのおままごとを好み、男の子は外で走り回るのを好む」というイメージを持っている人は少なくないでしょう。
子供にそのような好みの傾向が生じているケースもあれば、保護者が最初から「女の子には人形、男の子にはサッカーボール」を与え、それぞれの遊びに無意識に誘導しているケースもあるでしょう。
そして研究チームは、この幼少期の身体活動の少なさと、将来、精神的問題を抱えやすくなることを関連付けています。
ただ、これは単に社会的な傾向として、幼少期に女の子の方が外で身体を動かして遊ぶ傾向が少ないから精神的に病みやすいと言っているに過ぎません。
女の子でなくとも、現代においてはネットやゲームなどに幼い頃からハマってしまって、外で遊ばなくなる子どもというのは、男女を問わず増加傾向にあります。
そのため男の子でも病んでる子多いよ、という印象を持つ人がいるとしたら、それはこうした時代変化を反映したものかもしれません。
精神的な健康と身体活動量の関係は、現在様々な研究から指摘されていますが、実際幼少期の遊び時間の使い方で思春期以降に確認可能な程の差を生むのだとしたら、子育てする人たちがちょっと意識するだけで病んでしまう人を将来大きく減らせるかもしれません。