また、イギリスの国民の健康を維持・向上させるための身体活動に関するガイドライン「UK Chief Medical Officers’ Physical Activity Guidelines(PDF)」は、未就学児に対して1日に180分の身体活動(遊びや運動)を推奨しています。

そしてこのガイドラインには、必要とされている身体活動は、主に室内ではなく屋外で達成されることが示唆されています。

未就学児の身体活動は主に遊びを通じて行われるため、子供たちにとって「外遊び」は非常に重要であり、大人はこの年齢の子供たちの外遊びを積極的にサポートすべきです。

では、幼少期に身体活動を行わないなら、子供たちにはどのような影響が及ぶのでしょうか。

これまでの研究により、幼少期の身体活動は、肥満率の減少、運動能力の発達、心臓の健康、中年期の骨密度の改善と関連していることが分かっています。

また、就学前の時期に十分な身体活動を行っているなら、大人になってから精神的健康が悪化しづらいことも分かっています。

逆に言うと、「就学前に外遊びを十分に行っていない子供たちは、大人になってから精神的に病みやすい」というわけです。

だからこそ、将来を担う子供たちが十分に外遊びできているかを調査し、改善していくことは、個人だけでなく、国全体の課題だと言えます。

そこで今回、ドッド氏ら研究チームは、イギリスの子供たちが十分に外遊びできているか調べることにしました。

女の子は男の子と比べて外遊びが少ない

調査には、イギリスに住む2~4歳の子供(男の子52%、女の子48%)1166人とその保護者が参加しました。

保護者は子供が日ごろどんな遊びをしているか、どれほどの時間遊んでいるかを報告しました。

その結果、2~4歳の子供たち(未就学児)は1日あたり約4時間遊んでおり、そのうち1時間45分は外遊びしていることが分かりました。

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2歳の時点で外遊びの時間に男女差がある。女の子は外遊びと身体活動量が少ないと判明 / Credit:Canva