■消えた残骸、空を飛ぶUFO

 ボッタはこの驚くべき体験を友人2人に話し、その日のうちにもう一度、皆で武装して現場へと向かった。だがすでに夜になっており、その時は現場を見つけることができなかった。

 翌朝の捜索で、ボッタたちは物体のあった場所へとたどり着いた。しかし、すでに物体は姿を消しており、代わりに灰の山が残されていた。ボッタの友人が灰を手ですくい上げたところ、すぐさまその手が紫色に変色し、そのまま数日間治らなかったという。3人は周辺を捜索したが、物体に関連しそうなものは何も見つからなかった。

 ふと、一人が空を見上げた。すると空には、3つの物体が浮かんでいたのである。一番大きいものは葉巻型で、2つは小さな円盤型だった。小さな2つは大きな物体と一体となり、赤色に変わって、彼らの視界からあっという間に消えてしまった。ボッタが急いで5回カメラのシャッターを切ったものの、現像した写真のうち2枚にぼんやりとしたシルエットが写っていただけだった。

 この事件後の数週間、ボッタは発熱や皮膚の水疱といった体調不良に見舞われた。また、彼の顔には、物体の内部に潜入した時にかけていたサングラスの跡が残っていた。医師にもその原因はわからなかったが、検査の結果、放射線の影響ではないということだった。

 ボッタは自分の身に起きたことをしばらく秘密にしていたが、1955年にベネズレラのカラカスで行われたUFO会議で友人のオラシオ・ゴンザレス・Gに打ち明けた。その縁で著名なUFO研究家レオン・ストリングフィールドに伝わり、事件の詳細は彼の著書「Situation Red: The UFO Siege」に記録されることとなったのである。

 墜落したUFOを発見、内部に潜入してエイリアンの遺体を発見したという非常に珍しい事件であるが、目撃者ボッタは前述した通り信用に足る人物であるというし、その証言には妙なリアリティがあり、デタラメだと切って捨てるにはあまりにも惜しい。歴史の中にはこのような魅力的なUFO事件が、まだまだたくさん埋もれているのだろう。

提供元・TOCANA

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