超常現象の解明でも犯罪捜査でも、目撃者が信用に値するかは調査の基礎となる重要ポイントだ。とりわけ超常現象の研究においては、社会的な信用があって、見てもいないUFOを見たと嘘をつくタイプではない人物の証言は大変貴重である。

 エンリケ・カロテヌート・ボッタはそのような「無視できない目撃者」の一人だ。彼は元パイロットの建築技師で、博士号も持つ、周囲からも非常に評判の良い人物であった。だが彼の体験はなかなかに強烈だ。なにしろ、墜落したUFOを発見、内部に潜入してエイリアンの遺体を目撃したというのだから——。

■道路脇の謎の残骸

 1950年、ボッタ(当時40歳)が大規模な建築プロジェクトの仕事で、南米アルゼンチンに滞在していた時のことだ。大西洋沿岸のバイアブランカという町のホテルから120キロほど離れた高速道路上を自動車で走行中、ボッタは道路沿いの草原に金属でできた円盤状の物体があることに気付いた。

 未知の物体に興味を持ったボッタは、近くに車を止めてしばらく観察することに決めた。物体に動きがないことを確認すると、彼は車を降りて物体に歩み寄った。表面に触れると、金属製のように見えるのにゴムのような感触があったという。出入口らしき開口部があったので、ボッタはその中に入ってみることにした。