これらの現状を受け、生理を女性だけの問題ではなく、社会全体の課題として捉えるべきだと考えました。そして、私たち男性がジェンダーギャップといった不均衡の是正に寄与することで、女性がより生きやすい社会の実現に貢献できないかと思ったのです。

―――生理用ナプキンがトイレにいつもあるというのは、非常にシンプルですが、生理のあるすべての方が望んでいることだと思います。

飯﨑さん:ポイントは「トイレットペーパー同様に(生理用ナプキンをトイレに置く)」というキーワードでした。

これまでもトイレの一角に有料のナプキン自動販売機が設置されている施設はありますが、急に生理になったとき、そういった販売機がなければトイレットペーパーをあてがって、コンビニに駆け込むこともあるそうです。これは大変なことだと思います。



しかし、コンビニに行きさえすればナプキンを買えるかというと、実はレジに男性がいると買えないという女性がいます。



男性側が気にしていなくても、女性側が気になる以上は、気にならない環境を作るしかありません。だから、OiTrはトイレットペーパー同様に個室で使える仕組みにしました。

―――確かに、トイレの個室にあるというのが大きなポイントですね。同じ女性同士であっても、他の人にナプキンを買っているところを見られたくないという気持ちはありますね。

飯﨑さん:私たちも驚きましたが、実証テストを行った際のアンケートで「女性同士でも、トイレでナプキンを使っていると知られたくない」という声が結構ありました。

アンケートでは「ナプキンが出てくるときに音がしなくてよかった」という声も上がりました。つまり、ディスペンサーからナプキンが出てくる音ですら気にしているのです。特に若い女性ほどこの傾向が強かったです。

アンケートや実証テストを経て、私たち男性にはわからない負担を、生理のある方たちが抱えて生きているのだと改めて感じました。