この作業にはディスカバリーチャンネルの人気シリーズ『冒険!世界ミステリーハンター(Expedition Unknown)』のホストで冒険家のジョシュ・ゲイツ(Josh Gates)氏もインディそっくりの格好をして参加しています。
その結果、チームも驚いたことに、エル・カズネの地下にはこれまで誰も知らなかった「隠された墓」が存在したのです。
さらに墓の中を調べてみると、全部で12体の遺骨が発見されました。
この隠された墓と遺体がいつ頃のものなのかを特定するため、セント・アンドリューズ大学で地球環境科学を専門とするティム・キナード(Tim Kinnaird)氏が堆積物サンプルから年代測定をしています。
その結果、これらの遺物は今から約2000年前の紀元前1世紀半ば以降のものであることが判明したのです。
つまり、これらの遺体はその頃にペトラを統治していたナバテア人のものとみられます。
これらのナバテア人がどのような人だったのかは不明ですが、エル・カズネの地下墓地に埋葬されていることから、かなり高位の人物だったことは間違いありません。
さらにチームが驚愕したのは、地下墓地から「聖杯」のようなものが見つかったことでした。
遺体の一人が聖杯のような容器をつかんでいたのです。
ゲイツ氏はその瞬間のことを次のように振り返っています。
「聖杯のようなものを見つけたとき、私たち全員が凍りつきました。それは『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』に登場する聖杯とほぼ同じように見えたからです」