空港でも女性にも男性にもボディサーチが行われることが全く珍しくありません。航空機の爆破未遂が今でもあります。機内持ち込み手荷物のチェックも日本より遥かに厳しいものです。
対象者はランダムに選ばれたり、スキャナで詳細が見えない場合などに行われます。
女性に対しては女性のセキュリティや警察官が行いますが、このイスラム教徒の家族の場合女性警官が母親の体を触ることは許されないとして息子たちが激怒したようです。
しかしこのような例外を認めてしまうと、万全なセキュリティ体制を取れないことになりますので通常は受け入れられません。
なぜイギリスがこのように厳しいかというと宗教的な理由を犯罪の隠れ蓑にしたりテロ行為に悪用する例が実際にあったからです。
例えばイスラム教徒の女性のベールの下に爆発物を隠したり、顔を隠して監視カメラから逃げる、男性犯罪者が女性のふりをするといったことです。
特に全身を覆うニカブの場合は、目以外の顔と髪をすっぽりと覆うので、爆発物や機械類、液体などを隠すことが難しくありません。
この事件は多様化を急激に進める日本にも教訓が多いのです。
まずイスラム教徒をはじめ海外では日本とは慣習が異なる地域が多数あり、日本の法律を理解しないどころか、習慣に反するとして激怒する場合があります。
このイギリスの例のようにセキュリティチェックに従わず担当者や警官を攻撃するといった可能性もあります。
次に警官や公的機関の職員は人種や宗教の差別と言われる行動に注意しなければならないという点です。
日本とは全く異なる文化圏から来ている人に対しては、日本では法律がありセキュリティ担当者や警官の指示に従わなければならない、ということを十分に説明する必要があります。
しかし言葉が全く通じない場合も多いですから、多言語での対応を準備しておかなければなりません。また説明するだけではなく、その場で誓約書にサインをさせるといったことも必要になります。