最近イギリスのマンチェスター空港でイスラム教徒の乗客と警官がセキュリティチェックで揉めた事件が話題になりました。現場の動画がSNSで拡散され、マンチェスター警察が声明を出す騒ぎにまで発展しました。

動画では、空港のセキュリティチェック後にイスラム教徒の若い男性2名が、銃で武装した警官にペッパースプレー、テーザー銃(スタンガン)で攻撃された後に、つかみ合いになり、床に倒されて足で頭を蹴られるシーンが映っています。

英国警察が空港でイスラム教徒の乗客を暴力的に拘束した様子

その横には、騒然となる高齢のイスラム教徒の母親、鼻から出血し髪の毛を振り乱した女性警官がおり、周囲の乗客も混乱しています。

高齢の母親は薄手で地味な色のイスラム教圏の民族衣装、70代ぐらいで足元がちょっとふらついており、息子がこんな事になってしまって大変なショックを受けているかもしれません。

事件の背景は、日本だとあまり見かけないものです。

イスラム教徒の高齢の母親のセキュリティチェックが必要になり、女性警官がボディサーチを行ったが、女性に触るのはイスラム教では許されないと息子らが激怒し、女性警官を殴りつけ鼻をおり、他2名の警官にも暴行し病院に行く羽目になったのです。

男性警官が暴行容疑で息子らを逮捕したのですが、取り押さえの際にペッパースプレー、テーザーを使用し、息子の頭を蹴ったため、やりすぎであり人種差別ではないか、との声が上がりました。

警官は武装警官で銃を携帯していたため、銃が奪われる可能性があったのでこの様な状況になったと警察は説明しています。

容疑者は警察署に連行されましたが、即時釈放すべきだとして、刑務所前にはイスラム教徒が抗議のため集結しました。

イギリス国内ではこの事件が、国を二分しています。警官の指示に従わなかった容疑者家族が悪い、警官は人種差別的でやりすぎだ、です。

イギリスは日本と異なり1970年代からIRAによる爆弾テロなどがあり、過激化による脅威が非常に高い国です。