ところが今回、シンワル氏が、非常に少数の側近とともに、陸上でイスラエルを攻撃する戦闘に従事していたことが判明した。無名と思われたハマス戦闘員の死亡者の中から、シンワル氏と特定できる人物が発見された。これはイスラエル政府の宣伝と食い違う事実を残して、シンワル氏が死亡したことを意味する。

イスラエル政府は、自らの力を誇示する形で、シンワル氏の死亡を確定的に示すために、頭部が割れて四肢も揃っていない状態の激しく損壊したシンワル氏の死体を公開した。さらには右腕がちぎれ、埃だらけにもなっていて、瀕死の状態で建物の二階にいた生存中のシンワル氏を映したドローン動画も公開した。

シンワル氏は、ドローンに気づくと、残された左腕で棒状の物体を投げつけた。そこで動画は終わる。ドローンが爆発したのだと想定される。シンワル氏の遺体は、崩壊した建物の地上部分で瓦礫の中で横たわっている状態で発見された。ドローンの爆発で建物が瓦解し、死亡したと考えられる。

この「シンワル氏の最後の瞬間」の動画及び遺体の画像は、SNSで急速に拡大した。そのほとんどには、シンワル氏を「最後まで占領者と闘った殉教者の英雄」として称える言葉が添えられている。その代表例が、イランのアラグチ外相の言葉だ。