もしこれができずに、お葬式でゲラゲラ笑ってしまうと、すぐさま爪弾きにされるでしょう。
そしてサトプート氏のチームは今回の研究で、この感情の評価・判断を担っている脳領域を特定したと主張します。
25名の被験者を募り、さまざまな感情について判断する際の脳活動をfMRI(機能的核磁気共鳴法)で測定。
その結果、被験者が自らの感情を評価・判断している際に、内側前頭前野(mPFC)、腹内側前頭前野(vmPFC)、楔前部(けつぜんぶ、大脳の内側面にある脳回のひとつ)が最も活発に活動していることが判明しました。
これは前頭前野が判断・評価・倫理的思考にとって重要であることを示す、これまでの研究を支持するものです。
さらに前頭前野は先のゲージが事故で損傷した脳領域と一致します。
つまりゲージは、自身の感情をうまく評価・判断する能力を失ったことで、社会的シチュエーションと感情表現がちぐはぐになり、性格がガラリと変わってしまったのかもしれません。
研究チームいわく、感情評価に注目した脳研究は、おそらく今回が初めてとのこと。
まだ初歩的な研究に過ぎませんが、今後の進展次第では、この知見が感情コントロールの訓練に役立つとも期待されています。
例えば、どうしても社会的シチュエーションに反した感情表現をしてしまう人々にとって、大きな助けとなるかもしれません。
※この記事は2022年6月公開のものを再編集しています。
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参考文献
HOW DO YOU KNOW NOT TO LAUGH AT A FUNERAL? THIS REGION OF THE BRAIN IS KEY.
https://news.northeastern.edu/2022/05/20/funeral-laughter-brain-region/