眼柄とは目の付け根から伸びている茎状の組織で、これがあることにより目が少し飛び出たようになります。
眼柄はエビやカニなどに見られる特徴で、アースロプレウラではこれまで推測されていませんでした。
さらにチームが驚いたのは、口元から生え出た2本の大アゴです。
その形状はヤスデではなく、ムカデとよく似た構造をしていました。
つまり、アースロプレウラはヤスデのような体とムカデのような顔を持ち合わせていたのです。
これを踏まえると、今日のヤスデとムカデはアースロプレウラから派生したようにも思えますが、そうではありません。
ヤスデとムカデの両グループはアースロプレウラが誕生する1億年以上も前の約4億4000万年前にはすでに分岐しています。
その後、アースロプレウラはヤスデの一グループから進化したと見られますが、今回の研究結果から、彼らはヤスデの中でもかなり特異な位置を占めていたことが伺えます。
まず、目に見られるアースロプレウラはエビやカニなどの水棲生物によく見られる特徴であることから、もしかしたらアースロプレウラは半水棲として水中や水辺にも適応できたのかもしれません。
また彼らが何を食べていたのかは明らかになっていませんが、ムカデのような大アゴを持っていたことから、ムカデ寄りの食性だった可能性もあります。
今日のヤスデとムカデは食性がまったく違います。
ヤスデは非常に大人しい草食性で、毒がなくて攻撃性もなく、落ち葉や枯れ木などを食べて生きています。