大々的に報じられている北朝鮮のウクライナ戦への派兵になぜかNATOの事務総長は「確認できない」としていますが、ゼレンスキー氏や韓国筋をはじめ、多くの情報源からほぼ間違いなく本格的な派兵を行い始めたとみています。人数的には1万2千人程度と報じられており、北朝鮮軍全体から見れば1%程度で国内防備が甘くなるという水準ではありません。そのような視点よりもむしろ、金正恩氏が血を流す同盟関係をプーチン氏と結ぶという踏み込み方にやや驚きがあるのです。
仮にウクライナ戦でロシアが有利な展開のうちに終わった場合、多少の兵士の損失は有れど引上げ兵は英雄視され凱旋すらあり得るでしょう。一方、厳しい戦いになった場合、金正恩氏の判断に軍部から突き上げがある公算もあります。北朝鮮軍にとって唯一のメリットは実践訓練をすることで国防により厚みができる点です。ただし、北朝鮮軍の主力である陸戦部隊がそのターゲットして考えられるのは対韓国に留まります。それが現実的かといえば私には想像しがたいものがあるのです。仮に南北間で戦闘状態になった場合、韓国側が持つ最新兵器やドローンに対して北朝鮮が防御できるとは思えないのです。
個人的には最近の金正恩氏の動きが読みにくくなったと思っています。先般記事にした「久々に出てきた北朝鮮ニュース」でも書いたように娘を表舞台に出す、金与正氏の韓国への嫌がらせ、更に南北道路の爆破などやや過激とも思える判断が繰り返されています。このような動きは当然、金正恩氏の指示のもとに行われているはずですから同氏が踏み込まざるを得ない何かがあるのだとみています。よって今後、想定外の行動を行うことも大いにあり得ると見たほうがよく、にわかに東アジアの地政学的リスクが注目されてくる公算も考えたほうがよさそうです。
頻発する強盗事件を憂うこのところ関東を中心に強盗事件が頻発しており、その手口に窓ガラスなどを破り侵入後、緊縛し、金品を奪うケースが報じられています。中には被害者が死亡するに至ったケースも出てきており、その犯人の元締めはトクリュウとされます。このトクリュウとは匿名流動型犯罪グループの略称、「匿流」であり、トクリュウという名称のグループがいるわけではありません。ではその犯人グループですが、いわゆる半ぐれで暴力団組織とも違う形態ではないかと察しています。