今年2月に行われたAFCアジアカップ準々決勝(イラン代表戦)でも、日本代表は後半10分にGK鈴木のロングパスを回収され、この直後に浴びた速攻から同点ゴールを奪われている。相手センターバックにライナー性のロングパスを弾き返された場合、このボールがそのまま相手チームの速攻や中央突破に繋がりかねない。ロングパスの送り先は相手にボールが渡ったとしても速攻に直結しにくく、相手GKとしても飛び出しづらいサイドバック(ウイングバック)の背後を原則とするのが得策だが、アジアカップのイラン戦と今回のオーストラリア戦で日本代表は同じような失点を喫している。アジアカップで得た教訓を、今回のW杯アジア最終予選で活かしてほしかった。


森保一監督 写真:Getty Images

森保監督が明かしたチームビルディングの方針

今回のW杯アジア最終予選で、先発メンバーや基本布陣をほぼ固定している森保監督。オーストラリア戦後の会見で、ある記者からターンオーバー(先発メンバーの大幅入れ替え)を提案されると、現段階における自身のチームビルディングの方針を明かした。

ー先発メンバーが悪かったという意味ではありませんが、後半になると全体的に疲労が見られました。監督はどう感じていらっしゃいますでしょうか。また、これからの戦いを考えたときに、2試合(連戦)でうまくメンバーを替えていくことも考えますか。

「ゲームプランとして、できれば先行勝ち切り(に持ち込みたい)。アクシデントが起き先制されたとしても、後半にギアを上げて追いつく勝ち切るというのを想定してメンバー編成をしました」

「(選手の)コンディション面で言えば、ターンオーバーをするのが正解かもしれません。けどトレーニングをゼロに戻して“1”から始めて、原則的なところから始める(チームのプレー原則を試合の都度作り直す)ことで勝利の可能性や確率を上げられるかと言うと、今回の最終予選ではできるだけ選手を替えずに、トレーニングしたことや前の試合で経験したことを次の試合に活かしていけるようにと考えています」