先日近所を散歩している最中に禍々しいデザインの自動販売機を発見しました。売られているのは“悪魔のホットソース”なる調味料。

 筆者は間もなく30になろうかという立派な大人ですが、いまだにお寿司はサビ抜きでしか食べられません。つまりカライノニガテ。しかし自販機のデザイン禍々しさと、“悪魔の”という刺激的なワードに好奇心が負け、買ってしまいました。一体どんなソースなのか試してみたいと思います。

 “悪魔のホットソース”の正式名称は「スリラチャの赤備えソース」。アメリカで人気のスリラチャソース(シラチャーソースとも呼ばれる)というホットソースを、オリジナル配合で輸入したものだそうです。

“悪魔のホットソース”が買える謎の自販機 サビ抜き寿司しか食べられない筆者が買って実食してみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

 スリラチャソースの名前の由来は、ソースの発祥がタイ・シーラチャー群にあるから。同郡でシーフード料理に用いられていたソースをベースに、アメリカ・ロサンゼルスで商品化されたものがスリラチャソースとのことです。

 赤いボトルに緑のキャップとトウガラシを想起させるデザインはいかにも辛そうです。値段が700円とお高めなのも「覚悟」を問われているみたいで、余計に緊張します。

“悪魔のホットソース”が買える謎の自販機 サビ抜き寿司しか食べられない筆者が買って実食してみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

 実際に購入してみると本体ボトルがさらにプラスチックのボトルで封じられていて、なんとなく全体から“取扱注意”な雰囲気が漂っています。

“悪魔のホットソース”が買える謎の自販機 サビ抜き寿司しか食べられない筆者が買って実食してみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)
“悪魔のホットソース”が買える謎の自販機 サビ抜き寿司しか食べられない筆者が買って実食してみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

 ちなみに公式サイトを覗いてみると赤い甲冑を身につけた人がいます。これもまた攻撃的な辛さを感じさせます。

“悪魔のホットソース”が買える謎の自販機 サビ抜き寿司しか食べられない筆者が買って実食してみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

 切り刻むほど辛い、とかそんな意味でしょうか?買って大丈夫だったのか……?

 開封して本体ボトルを確認してみると辛さのレベルは意外にもトウガラシ1つ分。

“悪魔のホットソース”が買える謎の自販機 サビ抜き寿司しか食べられない筆者が買って実食してみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

 最大値が分からないので完全に憶測ですが、意外と辛くないかもしれません。び、びびらせやがって……。

 ただインドや中国などでは辛さの基準が日本と違っているため「普通の辛さで」と頼んで出てきたものが日本の激辛相当だった、というような恐ろしい話をよく聞きます。トウガラシ1個分だからといって侮れません。

 商品にはリーフレットも同封されていました。

“悪魔のホットソース”が買える謎の自販機 サビ抜き寿司しか食べられない筆者が買って実食してみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)
“悪魔のホットソース”が買える謎の自販機 サビ抜き寿司しか食べられない筆者が買って実食してみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

 こちらにはスリラチャソースの由来やおすすめの食べ方などが書かれています。かなりホスピタリティが高い。やっぱりそこまで辛くないのかもしれません。こんな優しいリーフレットを作る会社が激辛商品を提供するなんて、そんなまさか。

 スリラチャソースの由来は先ほどお伝えしたとおりですが、リーフレットには商品名にある“赤備え”の由来についても記載があります。

“悪魔のホットソース”が買える謎の自販機 サビ抜き寿司しか食べられない筆者が買って実食してみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

 記載によると「アメリカの飲食店では各テーブルにスリラチャが置いてあり、日本でもそのような文化を作り、赤(スリラチャ)を備えたいという思い」があるとのことです。

 さらに公式サイトにあった“赤い甲冑”についても説明がありました。「赤い甲冑を着て敵陣へ切り込む勇猛な精鋭部隊のように食卓にも厨房にも切り込んでいきたい」という思いが込められているそうで、甲冑の赤さは辛さには直接的には関係がない様子。よかった。切り刻むほどの辛さなんてなかったんだ。

 ソースを実際に開封してみます。イメージとしてはタバスコが近いかなと思っていたのですが、意外と濃度が高く、タバスコほどサラサラはしていません。

“悪魔のホットソース”が買える謎の自販機 サビ抜き寿司しか食べられない筆者が買って実食してみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

 匂いを嗅いでみるとニンニクベースとアピールしているだけあって、ガツンと香ってきます。

 まずはスプーンにのせて一口。

“悪魔のホットソース”が買える謎の自販機 サビ抜き寿司しか食べられない筆者が買って実食してみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

 口にいれると一瞬の甘みが舌に広がり、その直後にかなりパンチの効いた旨みと辛さが口の中で弾けます。全面に来るのはやはりニンニクの香り。しかしトマトっぽい野菜の風味もあるのでくどすぎず、爽やかさも感じます。

 肝心の辛さについても、確かにかなり辛めではあります。ですがすぐに水が欲しくなるほどではありません。少なくとも個人的には味を感じる余裕がありました。

 辛さは口に入れた瞬間がピーク。ソースが口の中から消えた後もピリピリとした辛さが舌の上には残りますが、ほどよい辛味でとどまっているので不快感はありません。むしろ旨味も一緒に残っているので「早くもう一口食べたい」という欲求さえ湧いてきます。

 ソースだけを舐めても楽しくありません。せっかくなのでリーフレットに書いてあったおすすめにしたがい、ハンバーガー、ピザ、パスタにつけてみることにします。

“悪魔のホットソース”が買える謎の自販機 サビ抜き寿司しか食べられない筆者が買って実食してみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

 最初はハンバーガー。バンズとパティだけのシンプルなやつです。

“悪魔のホットソース”が買える謎の自販機 サビ抜き寿司しか食べられない筆者が買って実食してみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)
“悪魔のホットソース”が買える謎の自販機 サビ抜き寿司しか食べられない筆者が買って実食してみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

 スリラチャソースは辛いだけではなく甘みもあるソースです。さらにトマトっぽい味わいもするので“辛いケチャップ”といった感じでよく合います。

 続いてはピザ。

“悪魔のホットソース”が買える謎の自販機 サビ抜き寿司しか食べられない筆者が買って実食してみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)
“悪魔のホットソース”が買える謎の自販機 サビ抜き寿司しか食べられない筆者が買って実食してみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

 ピザにはタバスコをかける方も多いと思います。ですのでホットソースとの相性はいわずもがな。タバスコとの大きな違いとしては、酸味が薄いことでしょうか。タバスコの酸味が苦手という方にスリラチャソースはおすすめです。ニンニクもピザによく合います。

 最後はパスタ。今回はボロネーゼです。

“悪魔のホットソース”が買える謎の自販機 サビ抜き寿司しか食べられない筆者が買って実食してみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)
“悪魔のホットソース”が買える謎の自販機 サビ抜き寿司しか食べられない筆者が買って実食してみた
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

 美味しいには美味しいのですが先の2つと比べると少し物足りなさを感じました。選んだソースが悪かったのか、ボロネーゼと一緒に食べるとどうもスリラチャソースの旨味が消えてしまうように感じます。クリーム系やオイル系のパスタで食べてみるとまた違うかもしれません。

 私たちの食卓にはまだあまり馴染みのないスリラチャソース。今回私が見つけた自動販売機は東海3県・関西・関東に設置されているそうです。ただ設置場所にはかなり偏りがあるため、住んでいる地域によっては自販機で手に入れるのは難しいかもしれません。

 自販機のほか公式サイトやネットショッピングなどでも購入できるので、近くに自販機がないという方はそちらを確認してみる方が早いと思います。

 リーフレットによるとスリラチャソースは焼きそばやたこ焼きなど、和洋中を問わず何にでも合うとのこと。ソース自体が美味しいので不思議ではありません。辛いものが平気な方はぜひお試しあれ。

<参考・引用>
SRIRACHA JAPAN

文・ヨシクラミク/提供元・おたくま経済新聞

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