普段、利き手を意識することはありますか?人口の10人に1人は左利きと言われています。左利きの人の中には、箸は左、文字を書くときは右といったように、行動によって利き手を変える「クロスドミナンス」の人も多くいます。

インタビュー後編では、左利きの人のためのオンラインショップ「左ききの道具店」を運営する加藤礼(かとう・あや)さんに、ロングセラー商品や最近人気のある商品、これまでの左利き人生で感じていたことなどについてお聞きしました。

関市の刃物メーカーと共同開発した商品

―――ロングセラーや、最近人気のある商品を教えてください。

加藤さん:定番商品としては、前編でも出ましたが当店のオリジナルアイテムである左手で書きやすい「左ききの手帳」です。日付の位置や、週間ページのレイアウトや開き方向など、左手で書く方のための工夫を詰め込んだ商品です。2020年から毎年発売し続けているのですが「一度使ったら他の手帳に戻れない」と、リピートしてくださる方がたくさんいらっしゃいます。おかげさまで2025年度版も作ることができました。

最近売れている商品では、「分解して洗える左手用キッチンバサミ」が大変好評です。私たちの会社は岐阜県各務原市にあるのですが、隣の関市が刃物の製造で世界的に有名な場所で、これは関市の刃物メーカーさんと共同開発した商品なんです。

左利き用の分解して洗えるキッチンバサミは、一般のメーカーさんだとこれまでほとんどなかったので、ぜひ一緒に作りませんかというお話をいただき、共同開発というかたちで携わらせていただきました。

―――岐阜県に会社があるからこそ実現した商品なんですね。

加藤さん:はさみや包丁など、刃物は利き手に深い関係ある道具なので、そういった刃物メーカーさんと近い場所にいられるのはすごく楽しいですし交流も多くなるので、お店にとってもプラスになっていると思います。