北朝鮮がウクライナ戦線にロシア軍を支援するために自国兵士を派遣しているという情報はどうやら間違いないようだ。今月4日、ウクライナのメディアがウクライナ東部ドネツク近郊でウクライナ軍の砲撃を受けて6人の北朝鮮将校が死亡したと報じたが、北朝鮮はロシア軍の戦闘を視察するためではなく、ロシア軍と共にウクライナ軍との戦闘に兵士を派遣しているという。すなわち、北朝鮮兵士が外国人傭兵としてウクライナの戦場で戦っているのだ。
北朝鮮は過去、シベリアの森林開発などに同国労働者を派遣し、外貨を獲得してきた。米国国務省の年次「2023Trafficking in Persons Report」によると、2022年、北朝鮮の海外労働を禁止する安保理決議を回避するためにロシア政府が4723のビザを発行または再発行したことが明らかになった。これらの労働者の大多数は極東地域の建設および伐採産業に従事しており、モスクワとサンクトペテルブルクで建設に従事している。北朝鮮とロシアの間の関係が強化される中で、ロシアに残る北朝鮮労働者の数が約3万人から5万人に急増すると予想されている(「ロシアで働く北朝鮮労働者の実態」2024年2月29日参考)。
ところで、北朝鮮は今度は単なる労働者ではなく、ロシアと北朝鮮間の軍事協定「包括的戦略パートナーシップ条約」に基づき、ウクライナ戦線で苦戦するロシア軍を支援するために自国の人民軍を派遣しているのだ。ロシアのプーチン大統領は6月19日、24年ぶりに訪朝し、金正恩朝鮮労働党総書記と10時間に及ぶ集中会談を行い、全23条から成る「包括的戦略パートナーシップ条約」を締結している。全23条から成る新条約は、2000年にプーチン氏と故金正日総書記の間で締結された「友好善隣協力条約」から、1961年の相互軍事援助を明記した「軍事同盟」色の濃い内容に戻っている。