加藤さん:このキャラクターはホッキョクグマなのですが、「ホッキョクグマはみんな左利き」というイヌイットの言い伝えにちなんでいます。科学的根拠のほどはわかりませんが、その言い伝えにちなんでキャラクターにしています。このキャラクターを描いていただいたアーティストの伊藤佳美さんも左利きなんです。

「選べる楽しさ」を感じてほしい

―――「左ききの道具店」で扱っている商品のデザインでこだわっている点があれば教えてください。

加藤さん:私たちのお店では、自社のオリジナルブランド商品と、既存のメーカーさんから仕入れをさせていただいている商品の2種類を取り扱っています。

左利き用の道具は、「あればラッキー」というパターンが多く、あっても色が1色しかないなど、種類を選べないことがよくあるんです。「選べる楽しみが少ないな」と個人的に思っていたので、お店で扱う商品では左利き用であったとしても、選べる楽しみを味わっていただけたらと思っています。

そのため、できるだけ色のバリエーションをたくさんそろえるようにしています。実際、私たちの取り組みに対して共感してくださるメーカーさんもいらっしゃって、最初は1色しかなかった商品が2色、3色と色を増やしてくださったりすることもありました。

―――とくに文房具や日用品は、色選びが楽しかったりしますよね。

加藤さん:何色にしようかと迷うのも、買い物の楽しみの1つだと思います。

当店の看板商品である「左ききの手帳」も、毎年5色展開しています。皆さんがSNSで「何色にしよう」と迷ってくださっているのを見るのが私は楽しくて、バリエーションを作ってよかったなと思います。

「左利きあるある」でよく聞くのは……?

―――実際に利用者の方とお話ができるポップアップショップを各地で開催されていますが、そこではどういった声を聞くことが多いのでしょうか。