高級路線から、ちょっと贅沢な大衆車路線へ
初代グロリア(1959年)発売で、それまでのフラッグシップ・モデルから廉価版扱いになっていたプリンス スカイラインですが、1962年にはイタリアのミケロッティがデザインした「スカイライン・スポーツ」を発売するなど、独自色を発揮しました。
商用バン/ピックアップトラック版の「スカイウェイ」もありましたし、プリンスとしても1962年にモデルチェンジした2代目グロリアを宮内庁御用達な高級路線として発展させる一方、スカイラインはグロリアより明確に1ランク下の量販モデル化を決めます。
これが1963年に発売されたS50系2代目スカイラインで、ボディサイズは一回り小さくなり、従来の直列4気筒OHV1.9リッターエンジンは廃止して、同1.5リッターを積む4ドアセダンとなりました。
ただ、当時のプリンスは自動車メーカーとして不可欠なトラックなど商用車(クリッパーなど)を除けば、オーナーだったブリジストンの石橋氏の意向もあって大衆車は扱わず、開発そのものはしていて後に小型FF車の日産 チェリーを生むものの、プリンス時代の発売は実現していません。
そのため2代目スカイラインも、後のトヨタ マークIIや日産 ローレルのような、「コロナやブルーバードよりちょっと贅沢」なアッパーミドル級セダンとでも言うべき車種になりました。
同時期のコロナやブルーバードが車体サイズこそ似ているものの、1.0〜1.5リッター級の小型タクシー用途がメインな大衆車だったことを考えれば、実際に車格は1ランク上で、エンジンもパワフルで信頼性が高く、一応は大衆車クラスながら「ちょっと贅沢」でした。