先進する米国をはじめとする海外企業や行政のDXにおいては、自社内でDX推進を統括する“自分でつくるDX”がスタンダードだ。このDXの内製化にこそ、コード生成ツールが貢献し、経済効果をもたらすことが可能となる。

この流れをうけて、日本においても「内製開発」と呼ぶ、海外企業と同様のスタイルに変革する動きもでている。IDC Japanが今年2月に実施したユーザー調査を分析したレポートによると、国内企業に所属するDX推進担当者の75%がすでに内製化に取り組んでいるという。
従業員1,000人以上の企業

ImageCredit:IDC Japan

こうした機運を背景に、DX内製化を志向する日本企業にとって、コード生成AIツール市場の最新動向は目が離せないのではないだろうか。

有能なソフトウェア技術者の生産性を向上

Image Credits:GitHub Copilot

米国企業の経営者にとって有能で高給をとるソフトウェア技術者は、最も貴重な経営資源のひとつである。ところが、Stripeが2018年9月に発行したレポートによると、米国経営者は「有能な技術者の不足」が経営上の最大の脅威のひとつであるとしながら、技術者への不適切な仕事の割り当てにより年間850億ドルの機会費用を損失しているという。週あたり平均41.1時間の技術者の労働時間のうち、17.3時間がコードの修正など保守作業に費やされているというのだ。

ちなみに、2024年の米国ソフトウェアエンジニアの平均給与は約14万ドル(約2,000万円)であり、一貫した上昇傾向にある。コード生成AIツールは、こうした有能なソフトウェア技術者を労働集約的な作業から解放することで企業経営に貢献する。マッキンゼーの2023年6月の公式ブログでは、コード生成AIツールの利用によって、以下の領域において技術者の生産性向上に大きく貢献することを明らかにしている。