イスラエルは今回の機会を逃すことはないだろう。イランはウラン濃縮活動を加速し、高濃度ウランの増産を進めている。例えば、2023年1月、濃縮ウラン83.7%の痕跡がイラン中部フォルドウの地下ウラン濃縮施設の検査中に発見された。イランは数カ月以内で核兵器を製造できる段階にきている。イスラエルがイランの核施設を今回破壊しなければ、イスラエルは核兵器を保有するイランと向かい合わなければならなくなる。それゆえに、イスラエルは慎重な準備が必要となるわけだ。イスラエルは2007年9月、シリアの建設中の核関連施設(ダイール・アルゾル施設)を爆破したことがあるが、イランの場合、ナタンツやフォルドウの核施設を空爆した時の被害状況が予測できない。また、ロシア側の軍事干渉も無視できない。
イスラエル軍がそれらの難問をクリアしてイランの核関連施設を攻撃するか、近日中にも判明するはずだ。それまでイスラエルとイラン間で神経戦が展開するだろう。
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2024年10月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。