イランのマスード・ペゼシュキアン大統領「本日お会いできて私も嬉しく思います。おっしゃる通り、我が国両国は関係拡大に向けた誠実で真摯な努力を行っており、文化的、経済的、そして人的なつながりを着実に強化しています。イスラム革命の最高指導者の意思を考慮し、私たちは今後、関係をさらに改善し強化していく必要があります。この目標を達成するための多くの機会があり、互いに助け合うことが我々の義務です。我々は共通のビジョンを共有しており、国際的な立場においても多くの共通点があります。私たちもBRICSサミットへの参加を楽しみにしており、その議題にある文書を承認し、署名するために必要なすべてのことを行います」
ロシアとイラン両国はウクライナ戦争が勃発して以来、軍事的、経済的関係を急速に深めている。ちょうど、ロシアと北朝鮮両国関係のようだ。イランはモスクワに無人機やミサイルなどを提供し、ウクライナ戦争で武器不足に悩むロシア軍を支援していることはよく知られている。今回は武器支援問題ではなく、対イスラエル軍の報復攻撃へのロシアからの軍事支援問題が焦点となったはずだ。
レバノンのイスラム教シーア派の武装組織「ヒズボラ」の最高指導者が先月27日、イスラエル軍の空爆で死去した。ヒズボラを支援してきたイランはその直後、イスラエルに報復攻撃を行い、約200発の弾道ミサイルをイスラエルに向けて発射した。それを受け、イスラエルはテヘランに対し、「必ず報復する」と宣言した。それから2週間以上が経過したが、イスラエル側はまだ報復攻撃に乗り出していない。
イランのペゼシュキアン大統領の就任式が7月30日、テヘランで行われたが、その直後、ゲストとしてテヘランに宿泊していたパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム過激テロ組織「ハマス」の最高指導者ハニヤ氏がイスラエルによって暗殺された。そして9月27日、レバノンのイスラムシーア派武装組織「ヒズボラ」の最高指導者ナスララ師がイスラエル軍の空爆で殺された。イランは、イスラエルがイランの最高指導者ハメネイ師を暗殺し、聖職者支配体制を崩壊させるのではないか、という不安に悩まされている。イラン側は最高級の警戒態勢を敷いている。ロイター通信は先月28日、「ハメネイ師がより安全な場所に移動した」という記事を発信したばかりだ。