か弱い生き物が厳しい自然界を生き抜くには避難場所が必要です。
しかし「何もそんな場所に避難しなくても…」と言いたくなる魚がいます。
それがカクレウオです。
カクレウオは安全な避難先として「ナマコのお尻の穴の中」に逃げ込む習性があります。
なぜカクレウオはナマコの肛門に逃げ込むのでしょうか?
目次
- カクレウオは「ナマコの肛門」を隠れ家にする
- どうやって「お尻の穴の中」に入り込む?
カクレウオは「ナマコの肛門」を隠れ家にする
カクレウオ科(学名:Carapidae)はアシロ目に属する海水魚の一グループで、これまでに7属31種ほどが見つかっています。
彼らはインド洋から太平洋、大西洋の熱帯〜亜熱帯にかけて広く分布し、沿岸の浅い海から水深2000メートルの深海に至るまで、生息範囲も非常に広いです。
カクレウオは細長く伸びた円筒形の体型を持ち、最大種だと全長40センチほどになります。
そんな彼らの最大の特徴は、ヒトデや二枚貝といった他の底生生物の体内に隠れ住む習性を持つことです。
英名の「パールフィッシュ(Pearlfish)」は、カクレウオ類の1種がカキの殻の中に潜んだ状態で発見されたことに由来しています。
特にカクレウオの最良の隠れ家となっているのがナマコのお尻の穴です。
カクレウオは天敵に見つかりやすい昼間はナマコのお尻の穴に潜み、夜間になると外に出て甲殻類などの餌を食べに行きます。
では、彼らはどうやってナマコのお尻の穴に入り込むのでしょうか?
どうやって「お尻の穴の中」に入り込む?
カクレウオは身を守るためのウロコを持たず、非常に無防備な状態の魚です。
そのため彼らは安全な隠れ場所を見つけだし、そこに潜む必要があるのですが、多くの場合彼らは不毛で見晴らしのいい海底近くに生息するため、自分たちを狙う大きな魚から隠れる場所がありません。