不思議なもので同じ作品を20代の頃に読むのと人生の黄昏の時代に読むのでは印象が全く違ってきます。例えばフィッツジェラルドの「ギャツビー」は一番初めに読んだのが中2。当時、極めて難解だったのは歴史背景を知らなかったからです。つまり字ずらだけ読んでいるのです。5年ぐらい前に別の方の翻訳でよんだらスーッと入りました。同じ本なのに、と思います。

本好きの方は日本には多いと思います。よい作品は何年たっても全然廃れないのです。ついこの前は「若きウェルテルの悩み」(ゲーテ)を読んだのは哲学本をあさっていたなかで自分の中でヒットしたわけです。案外、自らの環境に合わせて名作とされるものを手に取る方が流行本よりもしっくりくるのかもしれません。

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年10月13日の記事より転載させていただきました。