■事件は迷宮入りに

ポールは警察に、司法取引と引き換えにレーダーに対して証言する用意があると語った。しかし4回の嘘発見器テストに失敗した結果、彼は目撃者から除外され英国に戻った。警察は粘り強く捜査を続け、レーダーをパスポート詐欺の容疑で逮捕し、サロモン家の殺人罪で起訴した。

しかし裁判は、まったく思い通りには進まなかった。すべての証拠が状況証拠に過ぎなかったほか、一家が失踪後、カリフォルニアでソルを見たと主張する目撃者が何人か現れたのだ。レーダーのいとこポールも再度喚問されたが、彼は喚問を拒否。検察にはもう何もできることがなかった。

ポールが警察に告げた地域では集中的な捜索が行われ、レーダーの自動車販売店内部や周辺、床下まで掘り返されたが、遺体は見つからなかった。レーダーと犯罪を結びつける具体的な証拠は何も無いままだった。

事件に関わったほぼ全員が、レーダーが有罪であると確信しており、彼を怪しげな詐欺師および犯罪者と見なしていたにも関わらず、2度の無効審理の後、レーダーは自由の身となった。サロモン家の友人と親族の間には、悲しみと怒りが広がった。

その後、今日までサロモン一家は行方不明のままであり、捜査を繰り返したにもかかわらず、サロモン一家の痕跡はこれまで発見されていない。また友人や親族も私立探偵を雇い、情報を集めようと努力したにも関わらず、新しい手がかりはない。

家族全員が地球から消え失せてしまった。一体、何が起こったのだろうか？

あまり強調されていないが、事件後ソルをカリフォルニアで目撃したという証言が数件もあるのはまったく奇妙だ。もしそれが真実なら、なぜ彼は失踪したのだろうか。家族を殺したのは、ソルなのだろうか。ソルはただの消火器販売業者ではなく、イスラエル軍関係者かスパイだった可能性も消せない。そして怪しい男レーダーは、この事件でどのような役割を果たしていたのか。

いつの日か、この事件の驚くべき事実が明るみに出る日は来るのだろうか。

提供元・TOCANA

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