このCarpentopodにはこの「最適解のリンク機構」が導入されており、ヤンセンのリンク機構と比べて、つま先の接地面のズレやスピードの不一致からくる「足の滑り」が少なくなっています。

この足の滑りがあると、それぞれの脚において互いを減速させる動きが発生するため、歩行がスムーズになりません。

Carpentopodでは、その無駄な動きができるだけ排除されており、より滑らかで生物のような動きが生み出されます。

(ストランドビーストの脚では、この影響を低減するために、硬いつま先ではなく、柔らかいつま先、もしくは転がるタイプのつま先で作られていることが多いようです)

さらにCarpentopodでは、つま先が優しく地面に触れて、下方向に強く押さないよう設計されています。

これはCarpentopodが歩き回る時、テーブルがあまり上下動しないことを意味します。

上に物を置くテーブルである以上、たとえ歩いたとしても揺れないことが大切なのです。

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Wiiのリモコンで操作できる / Credit:Giliam de Carpentier

そしてCarpentopodは2つのセクション(1セクションに6本の脚)に分かれており、それぞれ独自のモーターによって駆動します。

この異なったモーターを使い分けることで、向きを上手に変更することも可能です。

Carpentopodの操作には、ゲーム機「Wii」のコントローラー「ヌンチャク」が利用されており、ゲームのキャラクターを操作するかのように自由に行えます。

まるで生きているかのように滑らかに動くテーブルの存在は、私たちの生活をいっそう楽しく、ワクワクさせてくれますね。

いずれテーブル以外にも、生き物のような家具が誕生するかもしれません。

椅子、本棚、冷蔵庫、食器棚にも命が吹き込まれ、それらが歩いている世界を見てみたいものです。

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参考文献

say hello to carpentopod, a 12-legged walking wooden table that can serve drinks or snacks
https://www.designboom.com/technology/carpentopod-12-legged-walking-wooden-table-giliam-de-carpentier-09-20-2024/#