そして、Carpentopodもまた、ヤンセン氏のストランドビーストからインスピレーションを受けています。

Carpentopodのリンク機構が、「ヤンセンのリンク機構」と非常によく似ていることから、そのことが理解できるでしょう。

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Carpentopodのリンク機構(左)とヤンセンのリンク機構(右) / Credit:Giliam de Carpentier(YouTube)_Carpentopod – Side-by-side with Jansen’s Strandbeest linkage(2024)

ただし、Carpentopodでは、ヤンセン氏のリンク機構と比べて、各骨組みの比率が異なっており、ジョイントも追加されています。

またCarpentopodのつま先は丸みを帯びています。

これらつま先の丸みや骨組みの比率は、カルパンティエ氏が作成したソフトウェアによって生み出されました。

このソフトウェアは、数々の脚のバリエーションを互いに競わせ、歩行速度や材料、滑らかさ、上下動の観点で、最善の脚のパラメーターが生き残るようにしました。

このパラメーターはいわば「遺伝子」のようなものですが、ソフトウェア上では、数あるバリエーションのうち優れた遺伝子が混合され、新しい世代が生み出されます。

そして新たな世代では、同様の過程により再び優れた遺伝子だけが選び出され、混合。より優秀な遺伝子を作り出しました。

また定期的に、「遺伝子変異」とも呼べる新たなバリエーションが導入され、進化の幅を広げるようにしました。

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Carpentopodのリンク機構における数千のバリエーションをまとめた動画。進化の過程。 / Credit:Giliam de Carpentier(YouTube)_Carpentopod – Real-time evolution of walk linkages.(2024)

最終的に、動画で示されるように、ソフトウェア上で何千もの仮想世代が過ぎた結果、1つの「最適解」が生み出されました。