1. 企業物価の特徴

    今回は企業物価指数、生産者物価指数についてご紹介しました。

    日本は消費者物価指数同様に、企業物価指数・生産者物価指数も長期間停滞が続いている事がわかりました。特に印象的なのは、消費者物価指数よりも停滞期間が長かったことですね。

    当社も良く遭遇するのが、既に廃業を決めた加工業者からの転注の話です。30年、40年も依頼していた仕事が、経営者の高齢化などで廃業が決まり当社で引き継げないかといったご相談を多くいただきます。

    基本的に実績のある加工品の場合は、実績価格をお聞きするようにしていますが、概ね当社平均価格(4,500円/時間)の2分の1~3分の1程度だったりします。

    事情を聴いてみると、元々の加工業者では取引開始時から一度も値段を改定してこなかったそうです。廃業を機に様々な加工業者に相談したところ、従来単価の3~5倍程度の金額を提示され、当社に行きついたといった経緯が多いようです。

    このように、特に製造業では価格を改定する事がタブー視され、長期間前値通りの取引となりがちですね。

    そのような日本独特の商習慣が、この企業物価指数にも表れているのではないでしょうか。

    適正な仕事の価値について末端の受託業者だけでなく、仕事を出す側も考えを改めるべきタイミングとなっているのかもしれませんね。

    皆さんはどのように考えますか?

    参考: 国内企業物価指数と生産者物価指数

    国内企業物価指数 工業製品と、生産者物価指数 国内製造業の指標を重ね合わせてみました。

    図4 国内企業物価指数 工業製品・生産者物価指数 国内製造業OECD統計データ、日本銀行 企業物価指数より

    図4は1970年を基準(1.0)とした倍率として表現したグラフですが、両者がよく一致している事が確認できると思います。

    2000年ころからやや離れていますが、それ以前はほぼ一致しています。

    編集部より:この記事は株式会社小川製作所 小川製作所ブログ 2024年4月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「小川製作所ブログ:日本の経済統計と転換点」をご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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