日本以外の記事ではこのように、1日の需要変動を議論する記事をあまり見ることがありませんでした。
日本の場合、一斉に昼休みを取ったり、朝や夕方に同じような時間に通勤するなどで、1日の昼と夜の需要変動が大きくなり、供給力の調整が結構大変です。それに比べて、欧州などは1日の需要変動が小さくて、供給力を調整することはあまり問題にならなかったのだと思います。
しかし最近は制御できない太陽光発電が台頭してきて、実際の総需要は昼と夜の需要変動は昔のまま小さいですが、調整しなければならない需要はどんどん大きくなって、こういった記事が出てきたのではないかと思っています。
2024年9月27日太陽光発電が多すぎるためランチタイムに過負荷になるリスクがAustralian grid risks an overload at lunchtime as solar power floods the system
図4は9月27日の総需要、個人宅の太陽光発電、メガソーラー、風力発電量のグラフです。図2同様にメガソーラーの発電量の形が大きくへこんでいます。オーストラリアは春の季節であり、筆者は「この季節のランチタイムにエアコンやヒーターを必要としている人はいません」と記しています。
またこのような状況なのに、図5に示すようにオーストラリアでの個人宅太陽光の導入はどんどん進んでいます。政府はバッテリーと個人宅の太陽光発電をコントロールすることで、この問題を解決しようとしているが、電力系統の運用者たちは、曇りの日が続くことを祈っている。と結んでいます。