繰り返すが、漢民族による華夷思想と革命思想を結びつけた一党独裁制度は、共産主義者以外を排斥すると言う態度を崩していない。つまり、革命思想の無き人は、全て共産党の敵であり、資本主義は労働者を苦しめているのだから、労働者を解放して民衆の手に平等な社会を取り戻そうとの点前を崩さない。

つまり革命思想を堅持する中国共産党こそが正しいのであり、決して間違えることは無い無謬性を有している。だからこそ、実態を隠し、表面を取り繕っていけば国民を騙し続けられると考えている。

この理想主義や国民を平等にするという謳い文句の危険性は、平等と同時に自由を国民から奪うものだ。私が共産主義を批判し続ける理由の根幹は、まさにこの一点にあると言ってもいい。

確かに平等も自由も、人間が生きていく上において欠くことは出来ない。日々の生活の糧は収入であるが、その収入に職業選択の自由があるからこそ、相互補完する人間社会が形成される。そして、労働に対して一定の等価性が維持されるからこそ、平等な社会が実現するのだ。この自由と平等の両立を行なってきたのが、戦後の自由民主党的な政治体制だと言って良い。

自由に偏することも平等に偏することも、どちらもバランスを欠く。自由と平等の相剋の実態が国家を形成してきたアメリカを見れば、未だ、その答えは出ているとは言い難い。

一方、外国文化を上手に取り入れながら独自の文化を形成してきた日本は、島国であるが故に陸続きの国とは違う発展を遂げ、今日に至っている。これも以前から言っていることだが、日本こそが自由と平等が保障された理想的な社会主義国家と言えるのだ。つまり、自由民主党が作り上げてきたものは、右も左も、保守も革新も包含した統治機構であり、どちらに偏することもない、理想的な体制なのだ。

石破茂新総理になり、解散総選挙を目前に控えた状況で、自民党への風当たりが強い。このままいけば、自民党は大きく議席を減らすことになるかもしれない。しかし、自民党に取って代わる野党がいない以上、我々に選択肢は限られている。

公認方針について説明する石破茂総裁自民党HPより