内宮・皇大神社へ
外宮から車で10分もかからない位置に内宮、皇大神社があります。かつては門前が賑わっていたのかと思えるような雰囲気も残されています。そして一の鳥居脇には誇らしげに「元伊勢・皇大神社」と記された石柱も。
ここからの表参道は約10分ほど、距離にして約300m、200段を超える石段の道は静かな原生林の中を抜けていきます。その参道にはまたしても見上げるほどの高さを誇る杉の木が。
これは樹齢1000年を超える麻呂子杉と呼ばれる古木。元々は3本杉だったといわれていますが、落雷などの影響で1本になってしまったのです。しかし残された麻呂子杉の堂々たる姿は素通りすることはできません。ちなみその名の由来は聖徳太子の弟である麻呂子親王から。麻呂子親王が皇大神社を参拝した際に御手植えされたものと言われているのです。
そんな銘木からさらに進めばやがて本殿が。荘厳でいて清浄な空気に満ち、その場に立つものに畏敬の念を抱かせる、過去にここが鎮座地として選ばれたのにも納得できるような雰囲気が境内には満ちています。
本殿へ至る鳥居はこちらも黒木の鳥居。内宮の鳥居には珍しく杉の木が使われています。本殿は茅葺の神明造。屋根の上の千木や鰹魚木などの装飾をはじめ、各部が伊勢神宮と同じしきたりに則られています。
そして本殿脇にひときわ存在感を放つご神木があることも見逃せません。樹齢は2000年とも4000年とも伝えられているご神木、龍灯の杉です。こちらも外宮同様の伝説が残り、節分の夜の丑三つ時、龍王が龍宮から天照皇大神に神灯を捧げるというのです。灯は枝の下の方からどんどん上の枝へと昇っていき、やがて天に至るとされているのです。
そんな龍灯の杉も、昭和37年の火災と平成3年の台風被害により枯死寸前に。のちの平成6年に樹勢回復施術を行うだけでなく、小枝を採取して接ぎ木で若木を誕生させるなど、ご神木を未来に引き継いでいく計画も行われているのです。
こうした圧倒的なご神木の存在が、ここが元伊勢として選ばれたひとつの理由になっているのかもしれませんね。
皇大神社の基本情報
- 住所:京都府福知山市大江町内宮217
- TEL:0773-56-1011
- 参拝:自由
- 駐車場:あり
- アクセス:京都丹後鉄道宮福線「大江山内宮」下車、徒歩約20分、市営バス「内宮駅前」下車約20分、京都縦貫道「舞鶴大江」ICから約20分
天岩戸神社も忘れず立ち寄ろう
内宮・皇大神社の本殿前からは天岩戸神社へと続く道がありますので行ってみましょう。ピラミッド型の山、日室ヶ嶽遥拝所を経て、川沿いの道へと辿り着けばもうすぐです。
天岩戸神社へと続く道は看板がありますからそれを目印に。やや急な石段を数十段下ると社務所がある小さな広場に着きます。足に自信がない方は、ここに天岩戸神社の遥拝所がありますから無理をせず高台から本殿を拝みましょう。
この先へと進む方は更に石段を下り、渓流の谷底へと進みましょう。別名は五十鈴川と呼ばれる宮川の渓谷は神々が天下ったという伝説に相応しい雰囲気。そしてなんと天岩戸神社の本殿はそびえたつ大きな岩壁の上に建てられているのです。
本殿を参拝するためには岩を上らなくては辿り着けませんが、岩には鎖が繋がれており、これを辿れば本殿と正対することができます。しかし足元は滑りやすいので雨上がりなどは特に要注意で、無理せず参拝しましょう。
本殿の奥側には神々が座したという御座石が鎮座しています。また、本殿から下流側には神々が湯あみをしたという産釜、産たらいという大きな甌穴(おうけつ)があり、日照りの年でも水が湧き出てくると言い伝えられています。この天岩戸神社も近年パワースポットとして注目を浴びています。
天岩戸神社の基本情報
- 住所:京都府福知山市大江町佛性寺字日浦ヶ嶽206
- TEL:0773-56-0324
- 参拝:自由
- アクセス:京都丹後鉄道宮福線「大江山内宮」下車、徒歩約30分、市営バス「内宮駅前」下車約30分、京都縦貫道「舞鶴大江」ICから約20分