日本でクルマを運転するときは左側通行というのは当たり前のことですが、なぜ日本は左側通行なのだろう?と疑問を抱いたことがある方も多いのではないでしょうか。

世界規模で見れば、実は左側通行は少数派。右側通行にすることで、人気輸入車メーカーのモデルと構造を同じにできるメリットだってあるはずです。

ではなぜ、日本では左側通行なのでしょうか。

今回は、日本でクルマが左側通行をしなければならない理由や歴史を紐解いていきます。

左側通行が規則になったのは明治時代から

なぜ日本は左側通行なのか?知っていると少しお得な気分になれる豆知識をご紹介!
(画像=『CarMe』より引用)

日本で左側通行が定められているのは、欧米を手本とした説や帯刀していた時代の名残など、いくつかの説が存在していますが、「左側を通行する」こと自体を初めて明文化したのは遡ること140年前、1881年の出来事です。

これは当時の警察庁が通達したもので、文面には車馬や人力車が行き会った(すれ違う)場合には左によけること、となっています。

つまり、これが左側通行のスタート。ルーツと呼べるものなのです。

その後、19年の時を経て1900年には車馬に加えて歩行者もプラスした左側通行が、警視庁が発した道路取締規則によって定められました。

さらに、このタイミングで安全を確保するため、歩行者は車馬が通る道をみだりに通らないといった文言も追加されています。

しかし、この時点では左側通行を定めた警視庁は東京のみを管轄とする組織で、まだ左側通行は一般的ではありませんでした。

日本全国に左側通行が広まったのは、1921年に発令された道路取締令によるものですが、さらにその後、1949年施行の道路交通取締法の改正によって、対面通行が取り入れられたことで車馬は左、人は右側の通行が定められました。

ここで忘れてはいけないのが、戦後アメリカに統治されていた沖縄のことです。

日本復帰後の沖縄はしばらくの間右側通行でしたが、復帰から6年が経過した1978年の7月30日の午前6時より、左側通行になりました。

このことは「730(ナナサンマル)」と呼ばれ、沖縄復興の歴史とともに、県民に一大事業として記憶に刻まれる出来事となっています。