「ハッピーバースデー」の歌には、著作権がある

誕生日に必ずと言っていいほど歌われている『ハッピーバースデー・トゥー・ユー』ですが、テレビドラマや映画などでこの曲が流れているのはあまり見かけないと思われます。というのも、この歌にはまだ著作権が存在し、使用料を払う必要があるからです。

もともとこの曲はアメリカのヒル姉妹が作詞作曲した『グッドモーニング・トゥー・オール』という歌が原曲の替え歌で、この曲自体は著作権登録がされていないため、誰もが自由に歌うことができますが、『ハッピーバースデー・トゥー・ユー』は、1935年に別の人物により正式に著作権登録がされています。そしてその著作権は現在、映画製作でおなじみのワーナー社が所持しています。

ワーナー社は他の企業がこの歌を映画などで使用する場合、高額な使用料を請求していて、その料金だけで1年あたり数億円稼いでいるとのこと。あまりテレビや映画で『ハッピーバースデー・トゥー・ユー』が聞かれないのは、そんな高額な使用料を払いたくないためのようです。

もし、誰かの誕生日で歌ったとしても、ビデオで撮影してネットにアップするのは避けたほうがいいでしょう。予期せぬ高額な使用料を請求される恐れがあります。

オリンピックを「五輪」と呼ぶようになったのは、新聞で書きやすいため

オリンピックのことをよく「五輪」と言うことがあります。この「五輪」という呼び方を提唱したのは、読売新聞の記者の経験もあるスポーツ評論家、川本信正(かわもと・のぶまさ)です。この「五輪」という名称、明治時代に作られた訳語のように思われるかもしれませんが、実は新聞社の事情により誕生したものでした。

というのも新聞はスペースに限りがあるため、掲載できる文字数も限定されます。「オリンピック」と表記していると、そのたびに6文字分が割かれることになります。そこで「五輪」であれば2文字で済ませることができるということから、1936年(昭和11年)、当時読売新聞の記者であった川本が使用することを提唱しました。ちなみにこの「五輪」はオリンピックを象徴する旗のマークから来たものではありますが、もともとはかの剣豪・宮本武蔵が残した著書『五輪書』が直接的なヒントとなったそうです。

ちなみに川本自身は「五輪」という言葉はあまり使わなかったとのこと。言葉をやたらに略するのは、言葉を大事にしていないと、自身のポリシーに反するからだそうです。