■謎の失踪を遂げた世界の航空機

 では次に、バミューダ・トライアングル以外で、航空機が謎の失踪を遂げた事件をいくつか見てみよう。航空安全ネットワークの調べでは、1948~2014年までに少なくとも82機が行方不明になっている。

 1962年、米軍輸送サービス機タイガー・ライン739便は、乗員乗客107人を乗せてグアムを離陸。2時間半後の通信が最後の連絡となった。付近を航行中のスーパータンカー「SS TL Lenzen」の乗組員が空中爆発らしき光景を目撃しているが、付近の捜索で破片は一切発見されなかった。

 1989年8月、パキスタンのギルギット空港を朝7時35分に離陸した航空機が、5分後の無線電話を最後に消息を絶った。乗客乗員54人を乗せた飛行機はヒマラヤに墜落したと見られていたが、捜索でも残骸は発見されなかった。国境の停戦ラインを超えたため、インドに撃墜されたという説も囁かれたが、真相は闇の中だ。

 記憶にも新しい近年の事件では、豪州西方沖のインド洋上空を中国に向かって飛行中だったマレーシア航空MH370便が失踪している。この事件は実に不可解な部分が多いのだが、世界を変革する発明に取り組んでいたAI技術者たちが数多く搭乗していたことも憶測に拍車をかけている。未来を変えたくない誰かの差し金かと勘ぐりたくなるが、筆者も未だ結論にたどり着けずにいる。