ラエリアン・ムーブメント
1973年、クロード・ボリロンはフランス中部の火山で緑色の宇宙人との遭遇を経験し、自身の「モーセの瞬間」を迎えた。ヤハウェと名乗るその宇宙人は、聖書をSF小説のように再解釈した。その中で、人類は宇宙人のクローンとされ、ノアの洪水は核爆発によるもの、ヨナを飲み込んだのは宇宙人の潜水艦だと説明された。
ボリロンはラエルという名を名乗り、新しい教えを広めた。彼は宇宙人の故郷を訪れ、ロボットと交わり、官能的な瞑想や「宇宙のオーガズム」、テレパシーについて学んだという。
新しい宗教のUFOランド本部がモントリオールに設立され、信者たちは収入の10%を教会に寄付し、好きな相手と性的関係を持つよう指示された。
オッカーによると、ラエリアン・ムーブメントは50年経った今でも、大量死者を出さず、指導者が投獄されていないことから、UFOカルトの中では比較的成功している部類に入るという。カナダを中心に世界80か国以上に広がり、信者数は6万5000人を超えているとされる。宗教法人としては登録されていないが、日本にも支部があり、6000人以上の会員がいると言われている。