上記の写真は同一人物でしょうか、別人でしょうか。
髪型をはじめ、髪の色、眼鏡の有無、表情が大きく異なりますが、2枚の写真の被写体は同一人物です。
実際、このように人を欺くのに変装が効果的なのかを調べた研究があります。
それはヨーク大学のロブ・ジェンキンス氏らの研究です。
彼らは、変装あり・なしの写真を用意するため、まず被写体となる参加者26名を集めました。
参加者には普段の写真、自分っぽくない変装をした写真と別の誰かになりきる変装をした写真を提出してもらっています。
変装は、頭の形や目、鼻、口が隠れないように、帽子やスカーフ、マスクなどの小道具の使用を禁止していました。
そして、別で雇った大学生30名に、上記のような2枚の写真を提示し、同一人物か別人か見抜けるかを検討しています。
さて、変装はどれくらいの割合で見抜くことができたのでしょうか。
軽い変装でもばれる確率は約30%低下し、偶然レベルまで落ちる
実験の結果、変装をすることで同一人物かどうかを見分ける確率が約30%減少することが分かりました。
変装を見抜くことができていたのは、被写体と知り合いの人がほとんどで、彼らは見覚えのある目や鼻、口の特徴を手掛かりにして変装を見抜くことができていました。
一方で、被写体の人物と知り合いでない人はほぼ見抜けず、偶然の判断と同じレベルにまで低下したのです。
また被写体の人物と知り合いでない人は、「変装してる人がいますよ」とヒントが与えられている場合でも、変装を見破れる確率は約30%減少しました。
そして最もばれにくいのは誰かの見た目に寄せる変装よりも、普段の状態から真逆の変装、自分らしくない変装をすることだったのです。