グローバルワークの戦略

 前述のXポストで引き合いに出されている「グローバルワーク」とは、大手アパレルのアダストリアが展開するブランドで国内の店舗数は約200店舗。同一カテゴリの商品で比較すると、ユニクロの5000~6000円台かそれより上の価格帯の商品で競合しているといえる。昨年には新業態として20~40代のファミリー層を主対象とした「グローバルワーク・スマイルシードストア」を出店。従来のグローバルワークより低価格な商品を揃えているのが特徴で、現在の店舗数は12店舗(24年2月現在)となっている。

「まず、グローバルワークに関していうと、近年ではデザインのシンプル化の傾向がみられ、着こなしやすさを意識しており、ユニクロに近寄っているという印象を受けます。一方で、フェイクレイヤードTシャツなど、ユニクロにはないファッション性を重視した商品も提供しています。

 一方のスマイルシードストアは、デザインや素材も含めて、とにかく安さを追求しており、そのため売り場のオペレーションも従来型のグローバルワークとは異なり、畳み陳列をせずにすべての商品をハンギングしています。私も2店舗ほど訪問しましたが、盛況といえる状況ではなく、お客さんから魅力あるお店だと感じてもらえるようになるまでには、もう少し時間がかかりそうです。まだ全国で約10店舗ほどなのでテスト段階といえるでしょう。

 アダストリアが成長ブランドに位置付けているのは、17年から展開している『ラコレ』です。現在の店舗数は78で、売上が大きく伸びており、アパレル品だけではなくリビングファブリック、フレグランス、ヘルス&ビューティー、クッキーなどの食品などバラエティーに富んでおり、ライフスタイルブランドという位置づけです。アダストリアの得手・不得手としては、価格よりは品揃えやファッション性で勝負するほうを得意としているのではないでしょうか」(磯部氏)