スペックはともかく人気はあった「デ・トマソ」
ところで4代目シャレードには、2代目以来となる「シャレード・デ・トマソ」が存在しました。
3代目では参考出品止まりだったのが、なぜ4代目で復活できたかは謎ですが、通常版とは異なり、小型上級セダンのアプローズへ(縦置き版はロッキーにも)搭載された1.6リッターSOHC16バルブエンジンのファインチューン版を搭載。
最高出力125馬力/6,300rpm、最大トルク14.7kg・m/4,000rpmというカタログスペックこそ、リッター100馬力が当たり前となりつつあったテンロクスポーツ用としては貧弱です。
ただ、燃費志向の通常版より各ギア比がセミクロス気味で加速重視、エンジン特性も低~中回転域で活発な「実戦向き」で、車重も900kg程度と軽かったので、絶対的な性能より普段乗りでの活発な走りや雰囲気を好むユーザーには割とウケ、街でもよく見かけました。
後に発売された新規格軽自動車や、それをベースとしたコンパクトカー用のミッションが基本設計を同じくしていたため、ハイギアードなファイナルギアはそのままにストーリアX4用のクロスミッションなど積むと、低速トルクの恩恵で実によく走ったものです。
「ホットハッチはカタログスペックだけで成立するものじゃない!」と証明して見せた4代目シャレードの「デ・トマソ」に限っては、間違いなく名車扱いでよいでしょう。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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