黒坂岳央です。

「お金持ちの子供は楽をして育つからずるい」 「お金持ちの子供は頭の悪さを親の資金力でカバーする」 「お金持ちの子供はワガママで性格が悪い」

このような意見をよく見る。人並み以上にお金がない家庭で育った自分自身がそう思っていた。しかし、今はまったく異なる考えを持っている。子供の教育に非常に興味関心があり、資産が何十億もある社長など、様々な家庭の子供に触れてきて、このようなよくある話はほとんどの場合は誤解だと思っている。

今回、統計データなどを出せる内容ではないため、独断と偏見による個人の意見だが思うところを取り上げたい。

※本稿はすべての事象を一般化した話ではなく、例外の存在は当然あるものとして認識した上で「あくまでそのような傾向がある」という前提で執筆している。

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しつけが厳しい

「お金持ちの家庭ほど甘やかされてわがままに育つ」という意見をよく見るが、自分が知る限りこれはまるっきり逆が正しい。

地方へ行くと兄弟が4人以上いる家庭はまったくめずらしくないが、そのような家庭は両親ともに忙しく働いていて「どちらかといえば放置気味」になっていると感じることがかなり多い。実際、保護者会などで聞いてきた話では、「朝は毎日チョコレートと菓子パン」「学校から帰ると寝るまでスマホで動画」みたいに親が子供の栄養管理や過ごし方についてあまり手を出す余裕がないようである。

翻って裕福な家庭の子供は放置どころか、大変厳しくしつけられている。魚のきれいな食べ方や、食べる順番から始まり、甘いお菓子もめったにもらえない。また、スマホに子守をさせずに親自身が相手をする。言葉遣いもその場で都度細かく注意を受ける。

また、極めつけは勉強だ。平均以上にたくさん勉強をするような環境を作っており、親同士がLineで有効な学習環境構築の情報共有をするほどの熱心さである。筆者も過去に、「我々の教育論に課題があるかあなたの意見がほしい」と言われたことがあって、集合知の力で子供を教育しようとする真剣な姿勢に驚かされたことがある。