12週間にわたるトレーニングの結果、筋力や筋肉量は両グループで同じくらい増加しました。

この結果は、一度に全身の主要部位に刺激を与える全身法と、上半身と下半身に分けて鍛える分割法のトレーニング効果が同等であることを示しています。

さらに興味深い事実として、分割法群では15%を超える参加者が「時間の欠如」を理由に途中でリタイアしましたが、全身法群ではそのような理由でリタイアした人は一人もいませんでした。

これは、トレーニングを始めたばかりの人にとって、1回のトレーニング時間の長さを気にするよりも、週当たりのジムに行く頻度を抑えるアプローチの方が続けやすいことを示唆しています。

もちろん、個々の好みによっては、1回のトレーニング時間が短く、頻度を高めた方が習慣化につながる場合もありますが、全身法はジムに行く回数を抑えられるため、おすすめのアプローチです。

時間が長いと聞くと、継続へのハードルが高いと感じるかもしれませんが、「時間が長いけれど頻度が低い」と「時間が短いけれど頻度が高い」のどちらが自分に合っているのか、自分の生活リズムを考慮しながら最適なアプローチを探ることが大切でしょう。

次のページでは、筋トレのセットの組み方とトレーニングの継続性について、意外な視点を説明します。

キツさがやりがいにつながる?

筋トレのセットの組み方については、特定の種目を数十秒から数分の休息を挟みながら繰り返す方法が一般的で、Traditional set(伝統的なセット)と呼ばれています。

例えば、ベンチプレスを1分の休息を挟んで3セット行うといったスタイルです。

これに対して、最初に下半身を鍛えるスクワットを行い、次に上半身を鍛えるベンチプレスを実施するように、違う筋肉のグループを連続的に鍛える方法は、「スーパーセット」と呼ばれています。

ペデルセン氏らの別の研究では、筋トレ経験を持つ男女を対象に、伝統的なセットとスーパーセットをそれぞれ実施してもらい、要した時間、キツさ、好みなどを調査しています。