ローマ・カトリック教会総本山バチカンで2日から約4週間の日程で、教会の刷新、改革について話し合う世界代表司教会議(シノドス)第16回通常総会が開催中だ。
シノドスの公式テーマは「シノドス的な教会、共同体、そして教会の使命」とされており、フランシスコ教皇が7月、関連する作業文書「「Instrumentum laboris」を発表している。それには「どのようにして教会が宣教的・シノドス的となりえるか」というタイトルが付けられている。
シノドス会議には368人が参加。そのうち、272人が司教、96人が非司教で、40人は聖職者でも修道者でもない。また、修道女を含めると、約7分の1にあたる53人が女性で、バチカンニュースによると、「これは教会史上初のことだ」という。同シノドスは昨年に次いで2回目で最後のセッションとなる予定だ。
フランシスコ教皇は2日、シノドス開会前のサン・ピエトロ広場でのミサの中で、「私たちの集まりは議会ではなく、共同体だ。シノドスは多様性の中で調和を生み出すことが目的である。シノドスは、同じ信仰に満たされ、聖性への同じ願いに駆り立てられている兄弟姉妹たちのためであり、私たちは彼らと共に、また彼らのために、主が導こうとしている道を理解するために努めている。参加者は忍耐強く他者の意見に耳を傾けてほしい」と語っている。
教皇の発言の中で興味深い箇所は「神の計画に従って新しいものを共に創り出すためであれば、自らの考えを犠牲にすることさえいとわない準備が求められる」と述べ、教会の刷新、改革では参加者の間で意見の対立があることを示唆していることだ。それ故に、教皇は約4週間にわたる会議で重要な役割を果たす可能性のある思想的リーダーや主導的な人物に対しても謙虚さを求めているわけだ。
それでは、世界シノドスが目標とする「宣教的・シノドス的な教会」とは具体的に何を意味するのだろうか。シノドスの道は「イエスのように、共に耳を傾け、相談し、決定するプロセス」として理解され、特に社会の周縁にいる人々や教会の周縁にいる人々に対して、教会がより包括的で開かれたものとなる道というのだ。