また、日本人が外国へ行けば「外国人」という扱いを受ける。多くの場合、Second-class citizen(正式には市民権を持っているものの、法的・社会的に完全に平等な権利や待遇を受けていない人々を指す表現)という扱いになる。
それは言葉の壁だったり、アジア人や移民という立場であることのハンディ、市民権との法的な違いもあげられる。たとえ面と向かって相手から差別発言を受けなくても、相手の心情や本音は建前の言葉とは違っていることも多い。よほどわかりやすく優秀な結果を出さない限り、外国人の立場で現地の人間並の扱いを受けることは簡単ではないだろう。
それでも「海外に移住して勝ち組で優雅な生活してます」といった顔をしている人がいる。これはどういうことなのか? 彼らをよく見るとわかるが、オンライン上で日本語で日本文化に根ざしたビジネスで日本人相手に「日本円」を稼いで現地の生活費に使っているだけに過ぎず、海外で現地の人を相手に現地通貨の獲得に成功しているわけではない事例も多い。
別に悪いことをしているわけではないし、生き方はその人の自由なので批判をする意図はない。しかし、彼らに憧れて海外移住するだけでは、その再現性はほぼ皆無であることには十分な注意が必要である。
もちろん、現地の人と競ってしっかり勝つビジネスマンや研究者、スポーツマンもおり、それはすごいとしか言いようがないが、その領域に「日本がオワコンと聞いて慌てて海外移住にきました」という志の人間が至るのは現実的に難しいと言わざるを得ないだろう。
生活費は安くない海外移住についての意見を見ると「海外なら数万円で生活ができる」といったものがある。安い金額に釣られていってみるとこうした提案は現実離れしていることが往々にしてあるので注意が必要だ。
まず、先進国は軒並み選択肢から外れる。特に数年前からドルやユーロは円より高く、また圏内はインフレ著しく2022年より落ち着いたとはいえ、日本より生活費を安くすることは難しい。先進国への移住は現地通貨を稼げるビジネススキル他、ビザなど準備が必須となる。