想定どおり

豪雨は続き、午後から行なわれる予選は中止となった。そのためグリッドをどのように決定するかは即座に判定されず、概ね公式練習のタイムでグリッドが決まりそうという噂で土曜日の走行を終えていた。結局、公式通知はその日の夕方に「公式練習で記録したベストラップ順に、各クラスのスタート順とする」と通達された。

迎えた日曜日の決勝。グリッドは2番手。天候は雨。スタート進行は30分のディレイ。そして1時間のディレイののち、決勝レースは始まった。

SUPER GT2024 第6戦 SUGO300kmレース SUBARU BRZ GT300 5位入賞を果たすまで
スタート直前。路面のドライアップがどのタイミングか?見極めが際どい(画像=『AUTO PROVE』より 引用)

コースコンディションは小雨になっているとはいえ、レインタイヤ以外は難しいコンディション。#18と#4はスリックでスタートし、ギャンブルに出ている。BRZ GT300はヘビーレインではない通常のレインタイヤを採用した。

フロントローからスタートする井口は、トップ#20シェイドレーシングのGR86を狙う。序盤、雨量の少ない路面で、どのメーカーのタイヤがマッチするのか? #20はミシュランを装着。3位は#777のアストンマーティンGT3でダンロップ。4位が#7 BMW M4 GT3はミシュラン、そして5位#45フェラーリ296もミシュランで、6位以下はダンロップ勢が占めており、ミシュランとの一騎打ちの様相だ。

レインVSスリック

スタート直後、井口はトップを襲うが後続のGT3勢も速い。4周目あたりになると一気にGT3勢が勢いを増し、井口は飲み込まれ5番手まで下がる。快調に#20がトップを走行していたが、なんと右リアのタイヤが外れるアクシデントが襲い、敢えなくリタイヤしている。

SUPER GT2024 第6戦 SUGO300kmレース SUBARU BRZ GT300 5位入賞を果たすまで
豪雨の中でも多くのファンが応援に駆けつけ、声援に答えるドライバーとSTIメンバー。右端は賚社長だ。左端には辰己元総監督も(画像=『AUTO PROVE』より 引用)

トップは#45フェラーリ296、#7BMW M4 #777アストンマーティンが競い22周目、井口は4番手にいる。井口のタイムは1分30秒台。後続マシンの中でスリックを履いたマシンは34秒台だ。しかしそこから2ラップした24周目になるとスリックが31秒台に入ってきた。そろそろスリックとレインが逆転する路面コンディションになりつつあるようだ。

このタイミングの見極めは難しい。どのチームも判断に迷いがあるようだ。そして33周目4位を走る井口をピットに入れ山内と交代し、タイヤはスリックに交換して送り出した。34周目、ピットを済ませたチームの中ではトップにたった。もちろん、先行していたトップ3台がルーチンを済ませコースに戻れば4位に戻ってしまうかもしれない。

SUPER GT2024 第6戦 SUGO300kmレース SUBARU BRZ GT300 5位入賞を果たすまで
序盤、トップ#20を追いかける井口だが、次第にGT3勢に飲み込まれてしまう(画像=『AUTO PROVE』より 引用)

山内はアウトラップも飛ばし、その翌周1分27秒台のタイムを出す。レインは31秒台だ。これを見た各チームは一斉にピットへ入りスリックへ交換する。トップを走る#45フェラーリはレインのまま引っ張る。順位は目まぐるしく入れ替わり、正確なポジションを掴みづらい。