フェラーリの新しい提案を感じる「プロサングエ」の新鮮なドライビング・プレジャー
「プロサングエ」のエンジンを始動させると澄んで洗練された自然吸気V型12気筒エンジンの音が室内に響いてきますが音量は小さく、フェラーリという高級車に乗っているといった感じがします。
そして、走り出してすぐに感じるのはV型12気筒の滑らかなエンジンフィールと8速のF1 DCTがスムースに加速を継続して巡行に入ることが絶妙に心地良く、路面とタイヤのソリッドな接地感がステアリングやシートから適度に伝わってくるのでコントローラブルな安心感もあるのに、それでいて乗り心地が良いところはとても新鮮です。
スーパースポーツモデル特有のこのフィーリングは、パワートレインのモードを変更するマネッティーノがコンフォートモードであっても、それはまさしく今、フェラーリに乗っていることを実感させてくれるので、一見するとSUV風のルックスでありながらもフェラーリが「プロサングエ」をSUVと呼ばないことを理解できる走り味をしていると感じます。
フェラーリが誇る自然吸気V型12気筒エンジンは、理論上ほぼ完全にバランスされているため振動も少なくとても滑らかで、低回転域からトルクがしっかりと出ていて扱いやすいため、クルージング等で流していて加速する際にも瞬時にストレスの無い走りを提供してくれて、重量2トンを超える「プロサングエ」でもストップ&ゴーの多い街中をとてもスムースに走ることができ“もったり”感は皆無で大排気量の自然吸気エンジンならではのトルクフルな走りを堪能することができます。
また100km/h巡行時のエンジン回転数は1500rpmほどのため、静かに粛々とエンジンが回り高速道路でも快適な走行を実現してくれますが、もちろんアクセルを踏み込めばレッドゾーンの8000rpmまでよどみなく瞬く間にふけ上がり8速のF1 DCTの素早い変速で強烈に加速していきます。
さらにエンジンと駆動系を切り離す、いわゆるコースティング機能も搭載されていて、アクセルをオフにするとエンジンの回転数が(メーター読みでおよそ)1000rpmのアイドリング状態で保たれ、車両重量による惰性で走行することによって燃費の改善も図られています。
「プロサングエ」は素性として前後の重量配分が49(フロント):51(リア)という走りに適したパッケージングが実現されていて、4RM-S EVO(四輪駆動および四輪操舵システム)はフロントタイヤのトルクベクタリングとE-Diffによるリアタイヤのトルク配分、4WS(4 Wheel Steering=四輪操舵)によってヨー・マネジメントを最適にコントロールすることで、全長5mに迫り、全幅2mを超え、全高1.6mに迫り、重量2トンを超える巨体と言っても良いサイズ感を持つ「プロサングエ」の走りにおいて重さを感じさせず、そのステアリングから伝わるスーパースポーツカー特有の硬質で乾いた感触とハンドリングは旧来から受け継がれるフェラーリそのもので、ドライバーがクルマと一体となった感覚でコントローラブルに操縦することができ、軽快でありながらしっとりと安定して走らせることができます。
そういった意味では重さが良い意味で走りの落ち着きに寄与していて「プロサングエ」の良さで唯一無二の特長にも思えます。
そして、そのしっとりと安定した走りには前述のフェラーリが培ってきた高度制御技術を駆使する「プロサングエ」専用のアクティブ・サスペンションがとても貢献していて、車体をできるだけフラットでぐらつきの無いように制御してくれて、快適な挙動と乗り心地を創出してくれます。
サスペンションは3つのモードが選択することができ、ソフトとミディアムとハード(マネッティーノのモードがスポーツとESCカット選択時のみ)が設定されていて、ソフトでは路面からの突き上げを抑えたあたりの柔らかい乗り心地、ハードでは乗り心地は担保された上でロールやピッチングを抑えてよりスポーツ走行に適した硬めの乗り心地、ミディアムはその中間といったところで、いずれのモードであっても基本的には車体をフラットにするように制御されます。
「マネッティーノ」の走行モードは「アイス」「ウエット」「コンフォート」「スポーツ」「ESCオフ」の5種類で8速のF1 DCTとのコンビネーションは緻密に制御されていて、日常の走行ではコンフォートモードを選択してサスペンションモードをソフトに設定すれば、快適で長距離走行も苦にならない「プロサングエ」ならではのフェラーリらしい魅力的な走りを提供してくれます。
さらに4つのシートは全てホールド性が高くて適度にやさしいクッション性も備えており、電動パワーシートが全ての乗員に適したシートポジションを提供してくれるので快適で、室内高も確保されているので優れた居住性を持ちますが、そこはフェラーリらしくスーパースポーツを感じさせる適度に良い包まれ感のあるレーシーさもあって、どの席に乗っても居心地が良く、トータルで快適性が高い「プロサングエ」は、フェラーリが目指す方向性をわかりやすい形でドライバーやパッセンジャーに伝えてきます。
静粛性の高さも「プロサングエ」の魅力のひとつで、走行中に前席から後席の同乗者と会話することも容易で、乗り心地の良さと相まって4人で遠出するのにとても適していて、全ての乗員が満足できると感じます。
その静粛性を実現するためにボンネットフード裏の防音対策や二重の合わせガラスも採用され、さらにフェラーリ初の4ドア4シーターであるため、前席はもちろんのこと、リアドアが存在するため後席の乗り降りがとてもスムーズであることもトピックのひとつとして「プロサングエ」が如何に快適性や実用性をきちんと考慮して設計されているかを伺い知ることができます。
まとめとして「プロサングエ」には、これまでのフェラーリにはなかった数々の新しい魅力や価値が詰め込まれていて、その走りはスーパースポーツらしいソリッドで手応えのある運転間隔と見事なまでに優雅で滑らかな上質さを兼ね備え、ダイナミックで抑揚のある人を惹きつけるエクステリアや乗員4名がどの席でも満足できる走行フィーリングは、スーパースポーツカーによって自動車業界を牽引してきたフェラーリが次世代に向けて提唱する夢のひとつとして“センセーショナルで圧倒的な存在感”を放っていると感じました。
〔フェラーリ・プロサングエ 主要諸元〕
全長×全幅×全高=4973×2028×1589(mm)
ホイールベース=3018(mm)
総排気量=6496(cc)
最高出力=533(kW)〔725(PS)〕/7750(rpm)
最大トルク=716(N・m)〔73.0(kgf・m)〕/6250(rpm)
駆動方式=4WD
タイヤサイズ(フロント、リア)=255/35ZR22、315/30ZR23
車両重量=2033(kg)※乾燥重量(軽量オプション装備車)
乗車定員=4名
メーカー希望小売価格(消費税込み)=¥47,660,000~
参考リンク)
オフィシャル・フェラーリ・ウェブサイト
https://www.ferrari.com
Ferrari PUROSANGUE
https://www.ferrari.com/ja-JP/auto/ferrari-purosangue
Ferrari PUROSANGUE Active suspension
https://www.ferrari.com/ja-JP/magazine/articles/cutting-edge-corners-purosangue-active-suspension-technology
Ferrari 12Cilindri
https://www.ferrari.com/es-ES/auto/ferrari-12cilindri
Ferrari GTC4 LUSSO
https://www.ferrari.com/ja-JP/auto/gtc4lusso
Ferrari FF
https://www.ferrari.com/ja-JP/auto/ff
文・橋爪一仁/提供元・CARSMEET WEB
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