ヒラタチャタテは私たちの身近に普通にいますから、今回の患者さんのように、Lip b 1抗原に結びつくIgE抗体を持つタイプの人であれば、誰でも「オートミール症候群」を引き起こす恐れがあります。

特にヒラタチャタテはハウスダストが蓄積した室内環境で発生しやすいため、たとえ製造の段階で商品に混入するなどの問題が起きていなくても、自宅で開封した際に商品に入り込んで、保存中に繁殖してしまう恐れがあります。

研究チームによると、ヒラタチャタテは10℃以下の温度や55~65%以下の湿度では生育できないとのことなので、例え常温保存が可能な食品であっても、基本的には冷蔵保存することが望ましいようです。

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常温保存が可能なものでも冷蔵保存するのが安心/Credit:canva

それから最も重要な点はオートミールや粉物食品を保存する際は、ジップロックに入れたり、しっかり開け口を閉じるなどの管理を怠らないことです。

チームは今回の知見を受けて「アレルギー疾患の予防と室内環境管理に新たな視点を提供し、公衆衛生の向上に貢献する」ことを期待しています。

室内の掃除や定期的な換気を怠っている人は、特にこうした問題に注意しましょう。

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参考文献

オートミールに混入したヒラタチャタテの摂取によるアナフィラキシーの症例を日本で初めて報告
https://www.toho-u.ac.jp/press/2024_index/20240909-1401.html

ダニを誤食して起こるアレルギー症状(農研機構)
https://www.naro.affrc.go.jp/org/nfri/yakudachi/gaichu/column/column_032.html

元論文

A clinical case of anaphylaxis after eating oatmeal contaminated with booklice (Liposcelis bostrychophila)
https://doi.org/10.1111/1346-8138.17419