それをしたことで、まず体力が大幅に増強された。これまでは午前中フルコミットで仕事をすると疲れ果ててしまい、昼寝をしないと午後の仕事ができなくなることもあった。しかし、現在は早朝からノンストップで夕方まで働いても平気になったのだ。それに連動して脳体力も大幅に増加、高度で負荷の強い知的作業も長時間続くようになった。

また、気持ちが前向きになり成果物もポジティブな思考が反映されることが多くなったように感じる。運動不足だった20代、30代のサラリーマンの時期より頭もよく動くと感じる。

運動習慣は想像以上に脳に効く薬であることは自己体験からもそう思うので、運動不足気味の人はぜひ検討してもらいたい。

やはり最強の脳トレは「仕事」

そして何より一番の脳トレは仕事で間違いないだろう。仕事で得られる脳刺激はお金で買うことができない。

仕事には責任がある。相手からお金を受け取っている以上、課せられた責任は必ず納期までに果たさなければいけない。この程よいプレッシャーが制約下での創意工夫を生み出し、人をクリエイティブにする。それらが脳へのいい刺激になる。

そして仕事にはコミュニケーションが生まれる。筆者は仕事柄、人にアドバイスをする仕事をしているのだが、そのことで老若男女いろんな人との会話が生まれる。仕事がなければ、自分の話し相手はかなり限定的になってしまうだろう。子供が巣立てばもう妻と兄弟、親戚くらいとしか話し相手はいなくなってしまう。だが仕事を続ければ違う。社会とのつながりは仕事が作ってくれる。

仕事で価値提供というミッションを背負っているから話し方を工夫するし、相手の感情に配慮してコミュニケーションを試みる。これは確実に脳へのいい刺激になるのは間違いない。よく言われる話に「取り扱いが面倒くさい人を相手にしないといけない人ほどボケない」というものがあるが、これはコミュニケーションがいかに脳にいい刺激になるかを示すエピソードだろう。