今はまだ、需要が急増した1社を複数の会社が協力して、急場を乗り切っていますが、このまま太陽光発電の導入が進むと、2社3社と同時に電気が不足して受電を希望する会社が出てくることになると思われます。そうなると、日本は地域によって時差がほとんどありませんから、各社とも同じ時間帯に電力が不足することになります。応援してあげる会社がなくなってしまうことになるわけです。

国はOCCTOに指示という強い権限を持たせているから大丈夫、と説明していますが、本当に応援可能な会社がなくなったときに、権限だけでは電気は作れませんどうすることもできないと思います。

重要な点は、年間5兆円も再エネ賦課金を負担して太陽光発電を導入しているにもかかわらず、天候の良い日であっても、太陽光発電の発電量が減少する夕方の時間帯は、供給力が不足することがあるということです。この時間帯は、太陽光発電設備を増やしても、発電量の増加は期待できませんから、老朽化した火力発電や揚水発電などの発電設備を減らすことができない、ということです。

別に古い発電設備を残しておいても、不要な時間帯は稼動させなければ、燃料の消費量が削減できるからそれでいいのではないかという意見もあると思いますが、発電設備は稼働しなくても設備がある限り、減価償却費、保守費はかかってきます。それらは発電単価に反映され、規制料金の電気料金原価に反映され、電気料金の値上げにつながります。

建前上は、電気料金は自由化されていますから、規制料金には添加できても自由化料金には添加できないから、値上がりすることはないということになるのでしょうけど、実態は電力市場に流通している電力のほとんどは、JERAをはじめとする、旧一般電気事業者が発電した電気ですから自由化料金も規制料金に引っ張られて上がっていくことになります。

市場価格がゼロまたはマイナスになった時間帯に発電会社が損を出した分は、夜間の時間帯に取り戻すことになります。太陽光発電がいくら導入されても電気の価格が下がることはありません。