2024年度の夏は6月1日から9月20日までの間に30回の「需給状況改善指示」による融通が行われました。この指示の内容を見ると、当日応援融通を受電した会社がどの時間帯にどれだけ電気が不足していたか、がわかります。さらに当日の太陽光発電量カーブを重ねてみると、電気が不足する時間帯は、夕方になって太陽光発電の発電量が減少している時間帯に集中していることがわかります。

2. 2024年7月5日 関西地区の高気温による需要増で各電力会社から応援融通

この日は、16:30~19:00にわたって、中国電力、北陸電力、東京電力、九州電力、中部電力の5社から、関西電力に最大138.7万KWの応援融通がありました。この日は関西電力が必要としている電力を1社では応援することができなかったため、このように各社が協力して応援しました。配分量は応援する側の余力によって決まります。図1にこの日の各社の応援融通量を見やすく1つのグラフにまとめました。

図1 2024年7月5日 関西電力への応援融通量

関西電力は16:30~19:00の2時間30分にわたって応援融通を受電しています。そのうち18:00~18:30までは少し融通量が減少していますが、これは送電する会社の余力の都合で、これ以上融通できなかったのだと思います。

図2は関西電力が応援融通を受電した日の総需要と太陽光発電量のグラフです。他社から応援融通の受電量と揚水式発電量も1つのグラフに表示し、応援融通を受電した時間帯に薄い青色をつけました。

図2 2024年7月5日 関西電力が受電した時間帯と総需要、太陽光、揚水式発電発電量

16:30以降、オレンジ色で示した太陽光発電の発電量がどんどん下がって、18:00にはほぼゼロになります。青線で示した総需要の方は、16:30以降減少しては行きますが、減少するスピードはゆっくりです。

人間活動は日没とともに止まるわけではなくまだまだ続きます。電気もまだまだ使います。そうなると、太陽光発電が止まってしまう、17:30~19:00くらいが最も電気が不足して、揚水式発電を運転してもそれでも足りず、他の電力会社からの応援融通の電気でしのいだわけです。